川の流れの表現するには
~NDフィルターを使う~
渓流の風景を撮影するとき、下のような川の流れを筋のように見せて表現することがあります。
これはスローシャッターを使って表現しています。
ただ、昼間にスローシャッターを使うと、真っ白になったりしてうまく撮影できません。
そこで使用するのがNDフィルターです。
NDフィルターとは、ニュートラル・デンシティー(Neutral Density)フィルターの略で、カメラへ入る光を抑えるもので、見た目は黒いフィルターです。ただ暗くするだけではなく、発色を変えることなく光量だけ抑えるような設計になっています。
NDの後に数字を付けて、光量の抑える量を表します。
ND2が通常の1/2、ND4が1/4 ・・・・
日食などの撮影には、ND100000というようなものもあります。
最近は可変のものも存在しています。
2015年秋に奥入瀬渓流の撮影では、ND400というNDフィルターを使用して撮影しています。
実際どのようになるかというと、まずNDを使用しないで、絞り優先(F8)で撮ると、
【ND未使用】SS 1/25秒、絞り F8、ISO 125
川はしぶきがあって、流れが荒々しく感じます。
これとほぼ同じ画角で、NDフィルターを使って撮影するとこのように撮影できます。
川の流れが白くなり、続いている感じが出てきます。
まわりも、なんとなくしっとりしている感じがでて、山の中の雰囲気がでてきます。
ただ、風があると木々が揺れるため、葉がブレてしまうというデメリットもあります。
この時は5秒くらいにおさえてもよかったかもしれませんね。
これの応用で、NDフィルターを使って、動いてる人を消すこともできます。
実は、最初の写真の右側に道がありますが、シャッターを開けている間、何人かの人が通っています。
暗くなっているところを動いている場合、光が入ってこないため、30秒くらいシャッターを開いていると、後ろの動かない景色だけのこって、人はうつりこまないということになります。
人の多いところではこの方法を使って人を消すことができるので、人がいなくなるまで待つようなことをしなくてもいい場合もあります。
以上